改訂版パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)ですくみ足を評価する

評価

MDS-UPDRSはパーキンソン病患者さんの評価に特化した評価尺度ですが、その強み・弱みはご存知でしょうか?

  • 強み:簡便にスコアリングできる、国際的に広く用いられている。
  • 弱み:臨床的変化を検出する上で鈍感である可能性、十分な尺度特性(信頼性・妥当性など)が検証されていない(Regnault et al. J Neurol 2019)

Part2とPart3に1項目ずつ「すくみ足」の評価項目があります。それぞれについて解説していきます。

Part2.13 すくみ

ポイント:患者さんの自己申告であるため、認知機能の低下している患者さんの評価は信頼性が落ちる可能性あり。本人からだけではなく、患者さんの日常生活における体の動きをよく知っている人物(たとえば、配偶者、介護者など)にも聞き取りを行うことが重要と考えられる。

Part3.11 歩行のすくみ

☝ポイント:検査者の観察による判定なので、Part2にはできない客観的評価ができる。しかし、リハビリ介入の効果判定に使用できるほどの繊細ではない可能性あり。その点、NFOGQの方が、すくみ足に特化した評価尺度であるため、介入効果の判定に適していると考えられる。

[引用]①Regnault A, et al.Does the MDS-UPDRS provide the precision to assess progression in early Parkinson’s disease? Learnings from the Parkinson’s progression marker initiative cohort. J Neurol 2019.②MDS-Unified Parkinson’s Disease Rating Scale (MDS-UPDRS) (movementdisorders.org)